英文の意味は分かるのに、指定字数にうまくまとまらない――。東大英語の大意要約で、そんな壁にぶつかる受験生は少なくありません。『キムタツの東大英語 大意要約』は、大意要約に必要な考え方を10のストラテジーに整理し、Basic Training 5題、Trial Tests 20題で実践につなげる一冊です。東大受験生はもちろん、大意要約問題が出題される大学を目指す受験生にも役立ちます。
目次
英文は読めるのに、要約すると点にならない?
東大英語の「大意要約」は、英文の意味を理解できれば解ける、という問題ではありません。限られた文字数の中で、筆者が最も伝えたいことは何かを見抜き、必要な情報を選び取って、簡潔な日本語にまとめる必要があります。
本書では、筆者が最も言いたいことを「コア・メッセージ」、それを支える説明や具体例などを「サポーティング・ディテール」と呼びます。大意要約を単に「全訳を短くする作業」と捉えるのではなく、文章の論理構造をつかみ、何を残し、何を削るかを判断することから学んでいきます。
まずは「10のストラテジー」で解き方を整理
Chapter 1では、大意要約の解答を作るための考え方を「10のStrategies(ストラテジー)」として整理しています。
最初に学ぶのは、「常にパラグラフを意識せよ!」。それぞれのパラグラフがどのような役割を持ち、文章全体の中でどうつながっているのかを意識しながら読むことで、筆者の主張を見つけやすくしていきます。

さらに、「コア・メッセージを中心に解答を作る」「キーワードを確実に捉える」「不要な情報をそぎ落とす」「パラフレーズしながら簡潔に表現する」など、要約答案を作るための具体的な視点を学びます。
特に大意要約で悩みやすいのが、「削ってよい情報」と「残すべき情報」の見極めです。本書では、具体例やエピソード、数字、固有名詞など、一般に省いてもよい要素を示した上で、必要な内容まで削ってしまわないための考え方も解説しています。また、日本語を短く言い換える「パラフレーズ」も、制限字数内に収めるための重要な技術として扱います。
Basic Training 5題で、まずは正確にまとめる
ストラテジーを確認した後は、Chapter 2の「Basic Training」へ進みます。ここでは120~220語程度の英文を使った5題に取り組みます。
この段階では、時間を気にして急いで解くのではなく、まず正確に読むことを重視します。辞書を使わず、分からない単語があれば文脈から推測し、自分で要約を書き出します。

解答後は、各パラグラフのポイントを確認し、自分の答案に必要な要素が入っていたか、不要な内容まで書いていなかったかをチェックします。解答例だけを見るのではなく、「なぜこの内容を残すのか」「どの部分がコア・メッセージなのか」を解説で確かめられるのがポイントです。

Trial Tests 20題で、本番を見据えた答案作りへ
Chapter 3の「Trial Tests」では、入試本番を見据えた20題に挑戦します。Basic Trainingより英文のボリュームが増え、目標解答時間も設定されるため、ここからは「正確に読む」だけでなく、「時間内に答案を仕上げる」力も鍛えていきます。
特徴的なのが、解答例に加えて自己採点のための基準や、複数の答案例への講評が掲載されていることです。どの要素を書けば得点につながるのか、どの情報を落とすと減点されるのかを具体的に確認できるので、自分の答案を客観的に見直しやすくなっています。

「読める」から「得点できる」へつなぐ一冊
大意要約では、英文を理解した後に、「文章の中心は何か」「どこまで書くか」「どう短く表現するか」という判断が必要です。本書は、その判断を感覚だけに頼るのではなく、ストラテジーとして整理してから、短めの練習問題、そして本番形式の問題へと段階的に進める構成になっています。
また、大意要約の力は、単に一つの設問への対策にとどまりません。パラグラフの役割や論理展開を意識して読むこと、必要な情報を取捨選択すること、内容を簡潔な日本語に言い換えることは、長文読解そのものを見直すトレーニングにもなります。
こんな人におすすめ
- 東大英語の大意要約を安定した得点源にしたい人
- 英文の内容は分かるのに、指定字数の要約がうまく作れない人
- 文章のどこが重要で、何を削ればよいのか迷ってしまう人
- 解答例を見るだけでなく、採点基準や減点ポイントまで確認したい人
- 東大以外で大意要約問題が出題される大学を目指している人
まとめ
『キムタツの東大英語 大意要約』は、「読む」ことと「要約答案を作る」ことの間にある思考のプロセスを、10のストラテジーと25題の演習で丁寧にトレーニングできる一冊です。
英文は読めるのに大意要約では点が伸びない、という人は、本書を使って「何を残し、何を削るか」から答案作りを見直してみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
木村達哉(きむら たつや)
西大和学園中学校・高等学校で10年間、灘中学校・高等学校で23年間教えた後、2021年4月より本格的に作家としての道を歩む。また、執筆活動に加え、全国の中学校・高等学校での講演や英語の先生向け勉強会の開催など、教育活動に精力的に取り組んでいる。『 ユメタン 』『 東大英語リスニング 』シリーズ(いずれもアルク)ほか、著書多数。
丸山 晃(まるやま あきら)
1979年生まれ。長野県出身。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻は言語学で、ネイティブ・アメリカンの言語に取り組んだ。母校に奉職し、2005年よりラ・サール中学校・高等学校英語科教諭。趣味は自転車で長距離の旅をすること、走ること。山岳部顧問を務めている。著書に『新装版 ユメサク』(共著・アルク)。
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