TOEIC初心者におすすめの参考書『全パート完全攻略』レビュー。“最初の1冊”に使いやすい理由

TOEICを受けようと思ったとき、最初に悩むのは「何から始めればいいのか」ではないでしょうか。単語を覚えるべきか、文法を復習するべきか、それとも模試を解くべきか。そんな人がTOEIC対策の全体像をつかむために使いやすいのが、『はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略』です。なぜ“最初の1冊”として使いやすいのか。中身を見ながら、その理由を紹介します。

TOEIC初心者が最初につまずくのは「何から始めるか」

TOEIC対策を始めようとすると、やるべきことがいくつも出てきます。

リスニングの練習。
単語暗記。
文法の復習。
Part 7の長文対策。
本番形式の模試。

どれも大切そうに見えるからこそ、どこから手を付ければよいか分からなくなります。

『はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略』が初心者に使いやすいのは、この「何から始めればいいか分からない」という悩みに、具体的な学習の流れで答えているところです。

本書の「はじめに」では、TOEIC初心者に必要なこととして、問題形式を知ること、攻略法を学ぶこと、練習問題でTOEICの問題を解く力を付けること、語彙を増やすこと、そしてリスニング力・読解力を伸ばして英語力自体を底上げすることが挙げられています。

つまり本書は、単なる問題集ではありません。

TOEICという試験を知り、パートごとの解き方を学び、必要な語彙や表現を押さえ、最後に模試で本番に備える。初受験者が迷いやすい学習の流れを、1冊の中に整理した総合対策本です。

理由1:TOEICの全体像を1冊で見渡せる

本書の大きな特徴は、TOEIC L&Rテストの全パートを1冊でカバーしていることです。

Part 1の写真描写問題から、Part 7の長文読解問題まで、各パートごとに「テスト形式」「特徴と攻略法」「攻略問題」「頻出語彙・表現」「実践問題」が用意されています。

本書の構成と使い方。パート別攻略、実力UP勉強法、完全模試の3ステップで学習を進められる。

最初にテスト形式を確認し、次に攻略法を知り、問題を解きながら定着させる。この流れが各パートで繰り返されるので、TOEICが初めての人でも、試験全体の構造をつかみやすくなっています。

TOEIC対策の最初の段階では、いきなり大量の問題を解くよりも、「この試験では何が問われるのか」「どのパートで何をすればいいのか」を知ることが大切です。

本書は、TOEIC対策の全体像を最初に整理してくれる一冊だと言えます。

理由2:「600点」と「730点以上」で目標を分けて使える

もう一つの使いやすさは、目標スコア別に学習できる点です。

各パートには、まず「600点攻略問題」があり、さらに高得点を目指す人向けに「730点以上攻略問題」が用意されています。

最初からすべてを完璧にやる必要はありません。まず600点前後を目指す人は、600点攻略問題を中心に取り組む。600点台が見えてきたら、730点以上攻略問題にも進む。そうした段階的な使い方ができます。

TOEIC初心者向けの本は、やさしすぎるとすぐ卒業してしまいます。一方で、最初から難しすぎると挫折しやすくなります。

本書では、まず600点を目指す学習と、その先の730点以上を見据えた学習を、同じ一冊の中で進められます。ここに、“最初の1冊”でありながら、しばらく使い続けられる理由があります。

理由3:攻略法が「具体的な鉄則」になっている

TOEIC対策本として本書が使いやすいのは、攻略法が、すぐに問題で使える形で説明されているところです。

たとえばPart 1では、写真描写問題でよく出る引っ掛けのパターンが具体的に説明されています。

代表的なのが、putting on が聞こえたら注意、という鉄則です。

写真に写っている人物が時計を身に着けているように見えても、putting on a watch は「時計を身に着けつつある」という進行中の動作を表します。写真の中で実際にその動作が行われていなければ、正解にはなりません。

Part 1の600点攻略問題と解答・解説。写真描写問題で注意したい「鉄則」が紹介されている。

こうした説明は、TOEICを初めて受ける人にとってかなり実践的です。

英語の知識としては難しくなくても、TOEICの選択肢として出てきたときに、どこで引っ掛けられるのかを知らないと間違えてしまう。そこを「鉄則」として先に教えてくれるので、問題の見方が変わります。

英語力だけでなく、TOEICという試験のクセを知る。ここが、本書の読みどころです。

理由4:テクニックだけでなく、英語力の底上げにもつながる

ただし、本書は“裏技集”ではありません。

本書には、「実力UP勉強法」というコーナーがあります。Part 1&2、語彙、Part 3&4、英文法、読解といったテーマ別に、英語力そのものを伸ばすためのトレーニングが紹介されています。

たとえばPart 1&2編では、音声を使ってリピートし、英文を見て音読し、もう一度見ないでリピートする「Look Up! Look Down!」という練習が紹介されています。

音声を聞いてリピートし、英文を見て音読する「Look Up! Look Down!」の練習法。

これは、単に正解を選ぶためのテクニックではなく、聞こえた英語をまねして口に出し、音と意味を結び付ける練習です。

TOEIC対策では、どうしても「どう解くか」に意識が向きがちです。しかし、本番で安定してスコアを出すには、英語を聞く力、読む力、語彙力、文法力も必要です。

本書が使いやすいのは、攻略法を教えるだけでなく、その先にある英語力の底上げにも目を向けているところです。

理由5:最後に模試で本番の流れを確認できる

TOEICは、2時間で200問を解くテストです。

問題を1問ずつ見れば解ける人でも、時間配分がうまくいかなかったり、リスニングからリーディングまで集中力が続かなかったりすると、思うようにスコアが出ません。

本書には、本番と同じ200問から成る完全模試が付いています。

完全模試と学習スケジュールのヒント。使える時間に合わせて、本書をどう活用するかが示されている。

パート別に攻略法を学び、実践問題で確認したあと、最後に模試で本番の時間感覚を試す。この流れが一冊の中で完結しているのも、初受験者には心強い点です。

TOEICは、知識だけでなく、試験慣れも大きく影響します。だからこそ、最後に本番形式で試せる構成は、「初めて受ける」人にとって大きな安心材料になります。

もちろん、向き・不向きはある

一方で、本書はすべての学習者に万能というわけではありません。

本書は、中学英語から完全にやり直したい人のための基礎文法書ではありません。また、すでに700点台後半以上を取っている人が、演習量を大量にこなすための問題集でもありません。

向いているのは、次のような人です。

  • TOEICを初めて受ける人
  • まず600点前後を目指したい人
  • TOEICのパート構成や解き方を一通り知りたい人
  • 独学で何から始めればよいか迷っている人
  • 公式問題集に入る前に、攻略法を整理しておきたい人

この本だけで全てが完結するというより、TOEIC学習の入り口に立つための一冊。そう捉えると、本書の価値が見えやすくなります。

“最初の1冊”として使いやすい理由

『はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略』が“最初の1冊”として使いやすい理由は、単に「初心者向けだから」ではありません。

TOEICの全体像が分かる。
各パートの攻略法が分かる。
600点と730点以上で、目標に合わせて使える。
頻出語彙・表現も確認できる。
実力UP勉強法で英語力そのものも鍛えられる。
最後に模試で本番に備えられる。

この一連の流れが、1冊の中に整理されているからです。

TOEIC対策を始めたい。でも、何から手を付ければいいか分からない。

そんな人にとって本書は、最初の迷いを減らし、学習を始めるきっかけを作ってくれる一冊です。

書籍情報

『はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略【音声DL付】』
著者:小石裕子
出版社:アルク

TOEIC L&Rテストの全パートを対象に、テスト形式、攻略法、目標スコア別の攻略問題、頻出語彙・表現、実践問題、実力UP勉強法、完全模試を収録。TOEICを初めて受ける人、まず600点前後を目指したい人に向けた総合対策本です。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

英語を学び、英語で学ぶための語学情報ウェブサイト「ENGLISH JOURNAL」が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!

2026 07
NEW BOOK
おすすめ新刊
Realize 英文法MASTERY[基礎~必修レベル]
Realize 英文法MASTERY[基礎~必修レベル] 詳しく見る
3分で単語力を測定しませんか?

3分で単語力を測定しませんか?

診断結果に合わせて学習書籍をおすすめ📚