TOEICのリーディングで時間切れを防ぐには、どうしたらいい?

TOEIC指導の専門家・ヒロ前田さんが、学習者の悩みに答える連載「TOEIC学習お悩み相談室」。今回は、「リーディングセクションで時間が足りず、最後の問題を解き切れない」という相談を取り上げます。時間切れを防ぐには、どのように考え、どの順番で問題に取り組めばよいのでしょうか。

今回の相談

リーディングセクションの時間がとにかく足りなくて、最後の20問はマークを塗るだけになってしまいます。いったいどうしたらいいでしょう。

――会社員(40代)/TOEICスコア 550点

まず確認したいこと

時間切れは現在の英語力を示している

TOEIC受験者の中には、リーディングセクションの時間が全然足りない人もいれば、余裕を持って最後まで解き終える人もいます。

その違いの大きな要因は、英語力です。

英語力が高い人ほど、英語を速く読むことができます。英文の意味をつかむスピードが速ければ、解答のヒントを見つけるスピードも速くなります。一方で、英語力がまだ十分でなければ、1問を解くためにより長い時間が必要になります。

時間が足りなくて最後の20問を解けなくなるということは、今の英語力では、その部分まで十分に対応し切れていないということです。

TOEICは、英語力に見合う正解数を得るよう設計されているテストだと考えるとよいでしょう。

根本的には英語力を高める必要がある

もちろん、解く順番や時間配分を工夫することで、スコアが伸びることはあります。

ただし、実力を高めることを考えずに、ただ解答数だけを増やそうとしても限界があります。

リーディングで時間切れにならないようにするための根本的な対策は、英語力を高めることです。英文を読むスピードが上がり、内容を正確に理解できるようになれば、自然と時間切れは起こりにくくなります。

英語力を高めれば、自然と時間切れにはなりにくくなります

ここで言う「塗り絵」とは、リーディングセクションで時間切れになり、最後にマーク欄を適当に塗りつぶすことです。塗り絵を減らしたいなら、時間配分だけでなく、読む力そのものを伸ばす必要があります。

時間切れを防ぐための解き方

Part 7から解き始める

時間が足りないと悩んでいる受験者は少なくありません。リーディングセクションを最後まで解き切れず、最後はマークだけになってしまうという人は多いでしょう。

そこで、簡単に実践できる方法を1つ提案します。

リーディングセクションに取り組むとき、Part 5から始めて、Part 7を最後に解いていないでしょうか。もしそうであれば、順番を変えて、Part 7から解き始めると効果的かもしれません。

残り時間が少なくなった状態でPart 7を解くのと、Part 5やPart 6を解くのとでは、負担がかなり違います。

Part 7では、長い文書を読み、設問を確認し、必要な情報を探す必要があります。1問だけなら1分で解けることがあっても、複数の設問を短時間で正確に処理するのは簡単ではありません。

目の前に長い文書があるだけでも、残り時間が少ないと焦りやすくなります。その状態で、「この問題は今の自分が正答できる問題かどうか」を短時間で判断するのは難しいでしょう。

これは初級者であれ、上級者であれ同じです。

Part 5・6は後半でも判断しやすい

では、Part 5やPart 6ならどうでしょうか。

文法や語彙の問題であれば、1問を解くのに30秒あれば十分な場合があります。少なくとも、今日の自分が正答できるかどうかを判断するには、30秒もあれば足りることが多いでしょう。

つまり、Part 5やPart 6は、単位時間当たりの生産性が高いのです。

時間が残り少ない状況で長文を読むよりも、短い問題に集中して、取れる問題を拾う方が現実的な場合があります。

そのため、リーディングセクションに入ったら、先にPart 7に取り組み、後からPart 5・6に戻るという方法を試してみる価値があります。

実際に、この順番に変えることでスコアを伸ばす人もいます。

本番前に模試で試しておく

ただし、この方法を試験本番でいきなり試すのは避けた方がよいでしょう。

解く順番を変えると、時間の感覚も変わります。Part 7を先に解くときにどれくらい時間を使うのか、Part 5・6に何分残すのか、自分の中で目安を持っておく必要があります。

そのためには、事前に模試を使って練習しておくことが大切です。

模試でPart 7から解いてみる。従来通りPart 5から解いた場合と比べてみる。どちらの方が正答数が多いのか、どちらの方が焦らず解けるのかを確認します。

本番で試す前に、必ず模試で練習しておく。これが大切です。

順番を変えれば必ず時間切れが解消するわけではありません。しかし、自分に合う解き方を見つけることで、今ある英語力をよりスコアにつなげやすくなるでしょう。

ヒロ前田さんの本

ヒロ前田
ヒロ前田(ひろ まえだ)

TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。TOEICを教える指導者を養成する講座でもトレーナーを務める。TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。取得スコアは15点から990点まで幅広い。著書・監修書に『TOEIC(R) L&Rテスト 文法・語彙・語法 あがる1000問』『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』『TOEIC(R) L&Rテスト 基本例文990選』『改訂版TOEIC(R)スピーキングテスト究極のゼミ』などがある。

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