TOEIC指導の専門家・ヒロ前田さんが、学習者の悩みに答える連載「TOEIC学習お悩み相談室」。今回は、「仕事で忙しくてTOEICの勉強時間が取れない」という相談を取り上げます。限られた時間の中で、どのように学習と向き合えばよいのでしょうか。
目次
今回の相談
会社員をしています。日々仕事に追われ、TOEIC対策の勉強をしたくても、その時間を捻出することすら難しい状況です。どうしたらいいでしょうか。
――会社員(20代)/TOEICスコア 485点
まず確認したいこと
会社員こそ勉強時間を確保しやすいはず
いったいどのような意味で、「時間がない」と言っているのでしょう。
どんな人にも1日24時間を与えられているはずです。もしや、あなたの1日には15時間しかないのですか。そんなことはないでしょう。
そして、24時間のうちで自由にできる時間はゼロですか。本当にゼロならば、「時間がない」と言ってしまうことは理解できます。しかし、起きている間はずっと仕事をしているスーパービジネスパーソンでもない限り、実際はゼロではないはずです。
一応、確認します。あなたが言いたいのは、「日常の中で、英語を勉強する時間をあまり確保できない」ということですよね。もしそうならば、まずは「本当に時間がないのか」を見直してみる必要がありそうです。
学習に使える時間を見直す
1日のうち、やらなくて済むことをどれだけやっているか計算してみてください。
通勤時間は何分でしょう。家でゴロゴロしている時間はどれだけありますか。出勤しない日に何をしていますか。計算してください。合計するとどれだけになりますか。きっと1日2時間か3時間か、勉強に充てることができるのではないでしょうか。
「会社員だから勉強時間を取れない」と言っているうちは、あなたの英語力もTOEICスコアも伸びないでしょう。
会社員だからこそ、勉強時間を確保しやすいことに気づくべきです。
小さな積み重ねが大きな学習時間になる
毎日のように同じ時間に起き、同じ時間に出勤し、同じ時間に食事を取り、同じ時間に帰宅しているのではないでしょうか。生活リズムが安定しているということは、仕事以外の時間も安定しているということです。
起床時刻や通勤時刻を少し変えたり、食事時間を10分短縮したり、家でゴロゴロする時間を短くしたり、週末の過ごし方を変えたり、とできることはたくさんあるはずです。
仮に1週間に10時間の勉強時間を確保したら、1年間で500時間、3年で1500時間です。それだけの時間を「英語学習」という1種類の勉強に費やせば、巨大な成果を得られます。
まずは、「本当に時間がないのか」「どこかに見直せる時間はないのか」を確認することが大切です。まとまった時間が取れなくても、日々の生活の中にある小さな時間を積み重ねれば、学習に使える時間は少しずつ増やせるはずです。
学習時間の考え方
時間を基準にするのをやめてみては?
よく「1日1時間でも30分でも学習を続けることが大事です」といったアドバイスを耳にしますが、言うほど簡単ではないですよね。あなただけでなく、多くの会社員が同じ悩みを持っています。考え方を少し変えるために、ひとつ提案します。
「時間」を意識するのをやめましょう。
仮に1日1時間を目標にしたとします。そうすると「1時間」という時間に意識が向かうせいで、学習の中身がおろそかになることがあるのです。
カフェのテーブルに着き、問題集に取り組んでいたけれども、集中力が続いたのは最初の30分。残りの30分は「勉強した感」を味わうために惰性で本を見ているだけ。そんな経験はありませんか。英語の勉強をしているはずなのに、読んでいるのは日本語訳と解説ばかり。それでは大きい成果は出ません。
ひとつの素材とじっくり向き合いましょう
着実に成果を出すために、1時間という時間の長さではなく、「問題数」や「ページ数」を学習単位の基準にしてはいかがですか。
例えばTOEICのための学習であれば、「パート7の読解問題1セットにしっかり取り組む」と決めます。カフェのテーブルに着いたら、次のように進めます。
- まず、1つのセットを解いてみる。ただし、答え合わせはしない。
- 次に、不安が残る設問や選択肢に狙いを定め、再び同じセットに取り組む。ゆっくりで構わないので、「正解はこれ。根拠はこれ」と自信を持って言えるまで深く丁寧に文書や選択肢を読み、深く考える。
- その後、答え合わせをしたり解説に目を通したりして、自分がどれくらい理解しているかを確認する。
- さらに、文書に知らない語句がなくなるまで精読する。
このように1つの素材にじっくり向き合って「このセットについては著者より詳しい」と思えたらストップします。所要時間は重要ではありません。20分で終わるかもしれませんし、1時間かかるかもしれません。取り組んだ教材から「どれだけ多くを学んだか」が大事なのです。
このような質の高い学習を普段から行うようになると、勉強時間が極端に短ければ「物足りなさ」を感じるようになり、10分や20分では終わりたくないと感じるようになります。結果として、自然と勉強時間も稼げるようになるでしょう。
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