現在形、過去形、現在完了形……。学校で一通り習ったはずなのに、実際に自分で英語を書いたり話したりしようとすると、時制をどう表せばいいのか迷ってしまうことはありませんか?この連載では、大竹保幹先生と一緒に、あらためてじっくり時制と向き合い、問題を解きながら、時制に対する感覚を研ぎ澄ましていきます。第3回のテーマは「過去形」。過去の出来事や習慣を表す基本的な使い方から、現在の不満や失望を感じさせる少し意外な使い方まで見ていきましょう。
目次
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過去形も意外と単純じゃない?
「〜する」は現在形、「〜した」なら過去形…と、一見すると単純に使い分けられるように思える時制も、英語の学習が進むにつれて少しずつ複雑な姿を見せます。
えっ、複雑なのは好きじゃない?
まあまあ、そんなこと言わずに、一緒にその複雑さを楽しんでみませんか?
今回は過去形について時制神経を磨いていきましょう。
和訳問題に挑戦!
Q.次の英文を日本語に訳してみましょう。
I thought you were my friend.
(答えは後ほど…)
過去形の基本をおさらいしよう
過去形:一般動詞の原形に-edをつける(不規則変化する語もある)
be動詞はwas、wereにする
-edの付け方は動詞の綴りによって少し難しいところがありますが、過去形が表す意味は単純で「〜した」「〜だった」という過去の出来事や状態です。
(1) He was born in Yokohama in 1984.
彼は1984年に横浜で生まれました。(2) Makoto lived in Tokyo when he was young.
マコトは若い頃は東京に住んでいました。(3) I forgot to hand in my homework today.
今日、宿題を提出するのを忘れてしまいました。
例文では動詞を過去形にすることでいつ生まれたか、昔どこに住んでいたか、今日何があったかなど、過去の出来事や状態について伝えています。そしてみなさんお気づきのとおり、斜体になっている語句によって「いつ」のことなのかをはっきりと相手に伝えています。
このように、過去形は過去を表す語句と一緒によく使われます。
過去形と一緒に使われることの多い副詞にはyesterday(昨日)、〜 ago(〜前)などがありますが、(3)のようにtoday(今日)が一日を振り返る際に使われることだってあります。just now(たった今)も現在を表しているように感じてしまいますが、たった今起こった出来事は「過去」ですから、過去形の文で使います。
「過去」を示す語句で何が変わる?
では、過去であることを明確に示す語句がないとどのようなことになってしまうのでしょうか。次の例文で考えてみましょう。
(4) I got up at seven in the morning.
この英文はいくつかの意味に取れそうです。「私は朝7時に起きました」という一度きりの過去の動作について述べているというのが一つで、過去を明示する語が特にないのであればこれが一般的な解釈でしょう。でも、もしかすると「私は朝7時に起きていました」という過去の習慣を表している可能性だってあります。
というのも、元をたどれば「現在の習慣」(第1回参照)を表す I get up at seven in the morning. (私は朝7時に起きます)という英文の過去形でもあるからです。
このように動詞が過去形になると過去の一度きりの動作なのか、それとも過去の習慣なのかが曖昧になってしまうことがあるのです。
(5) I got up at seven in the morning yesterday.
昨日は朝の7時に起きました。(6) I got up at seven in the morning when I was a high school student.
高校生の頃は朝の7時に起きていたんです。
先ほどの(4)の例文にさらに時を表す表現を加えてみました。このほうが、過去形がどのような意味で使われているか、はっきりとわかりますね。自分が伝えたい意味を正確に伝えるためにも「いつ、どの時点のことなのか」を明確にするようにしましょう。
過去形はただ過去を伝えるだけじゃない?
少し意外かもしれませんが、過去形は過去の出来事をただ述べているだけではありません。ときには自分の予想と異なっていることに対する驚きや意外な気持ち、現在の不満や失望を表すこともあるのです。
(7) I thought he was right.
彼は正しいと思っていたのにな。(8) You promised you would come.
来るって約束したじゃない。
(7)では彼について意外に思ったことや裏切られた感じを、(8)では約束を破られたことに対する不満を表すこともあります。どちらの例文でも過去形を使うことで「あのときは~だったけど、今は違う」という、現在の認識との違いや期待が裏切られたことを聞き手に感じ取らせているのです。これはなかなか高度な過去形の使い方ですね。
誤解がないように付け加えますが、(7)も(8)も「(そのときは)彼が正しいと思った」や「あなたは来ると約束しました」という過去の出来事をただ述べているという意味にもなります。
どういう意味になるのかはとにかく文脈次第なのです。
和訳問題の正解
ここで冒頭の問題の正解を確認しましょう。想像力を膨らませれば日本語訳はいろいろと考えられそうです。
I thought you were my friend.
答え(1):君は友達だと思っていた。
答え(2):君は友達だと思っていたのに。
短文だけではイメージしづらいので、例えばそれぞれ次のような場面を考えてみましょう。
A:Why did you tell me your secret?
なんで秘密を教えてくれたの?B:Because I thought you were my friend.
だって君は友達だと思っていたからだよ。
A:Why did you tell him my secret? I thought you were my friend.
なんで彼に秘密を言っちゃったの?友達だって思ってたのに。B:I’m sorry.
ごめん。
同じ英文でも使う場面によって印象はずいぶんと変わるものです。過去形が「〜した」だけではないと知っていることが大切です。
英作文に挑戦!
Q.会話文中の日本語を英語にしてみましょう。
Hotel Clerk :I’m afraid we don’t have a reservation under your name.
Naoto:What? 予約を取っていると思っていたのに…。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
答え:What? I thought I had a reservation...
スマホやパソコンを使えばホテルの予約も簡単に行える時代になりました。しかし、特に海外旅行などではハプニングは付き物で、長いフライトの疲れを癒すために訪れたホテルで「ご予約がありません」と言われてしまうなんてことも。
そんなときには「思っていたのと違う」ことを表す過去形をぜひつぶやいてみてください。その後のこと?それは勉強してきた英語を使って何とかしましょう。
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