「共通テストの英語リーディング、時間が足りずに最後まで解き切れない」と悩む受験生は多くいます。限られた時間で得点を伸ばすには、「読む型」と「解く型」を身につけることが重要です。本記事では、それぞれの型について例題を通して丁寧に解説します。
目次
この記事は、アルク刊『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』の内容をもとに、Web記事向けに再構成したものです。共通テストの英語リーディングで高得点を狙うための「読む型」と「解く型」を、記事用に補足しながら紹介します。
共通テスト英語リーディングの基本情報
【試験概要】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 80分 |
| 配点 | 100点 |
| 大問数 | 8問 |
【平均点の推移】
| 年度 | 平均点 |
|---|---|
| 令和6年度 | 51.54点 |
| 令和7年度 | 57.69点 |
| 令和8年度 | 62.81点 |
参考: 令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等
共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)
共通テストが難しい理由
2021年、大学入試センター試験に代わって大学入学共通テストが導入され、英語の試験は大きな転換点を迎えました。なかでも「英語リーディング」は、従来の発音・アクセント、文法・語法などの知識問題が姿を消し、読解を中心とする試験へと大きく変化しました。
さらに、2025年度には新学習指導要領に対応した新形式へと移行。複数の資料から必要な情報を読み取り、比較・整理しながら答えを導き出す力が、これまで以上に求められるようになりました。単に英文を理解するだけではなく、大量の情報を限られた時間内に処理する力―すなわち「正確に、速く読み切る力」が、合否を大きく左右する時代になったのです。
高い英語力を持つ受験生にとっては実力を発揮しやすい試験である一方、多くの受験生が、「膨大な分量を最後まで読み切れない」「情報処理型の問題をどう対策すればよいかわからない」「どこに解答のヒントがあるのか迷い、時間だけが過ぎてしまう」といった壁に直面しています。新形式の過去問がまだ十分に蓄積されていないことも、受験生の不安を大きくする要因の一つでしょう。
監修者・森田鉄也氏(『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用)
リーディング対策の「読む型」と「解く型」
共通テスト英語リーディングは、複数の文書や図表・グラフを含む個性的な問題が多く出題されます。また分量も多いため、対策なしでは時間内に解き終えること自体が難しいです。
そこで重要になるのが、「読む型」と「解く型」の2つです。
「読む型」とは、問題文をムダなく・迷わず読み進めるための型です。たとえば、いきなり本文を頭から読み始めるのか、それとも先に問いを確認してから本文に戻るのか、こうした視線の動かし方や考える順番を決めておくのが「読む型」です。
問題文と設問を何度も行ったり来たりしてムダに時間を使うのではなく、最短ルートで正解にたどり着くための「目と頭の働かせ方」だと考えてください。
「解く型」とは、本文から読み取った情報を正解の選択肢にすばやく結びつけるための型です。「解く型」にはいくつかパターンがあり、設問のタイプごとに最適な型があります。それぞれに合った型を身につけておくことで、迷わず最短で正解にたどり着けるようになります。
次に、「読む型」と「解く型」を使って例題を解いてみましょう。
「読む型」を実践
例題を通して「読む型」を実践してみましょう。ここでの型が他の問題にも応用できる基本形になるので、しっかり習得しましょう。
※この章で使用する画像、文章は、『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用したものです。
①リード文から場面・状況を、英文タイトルや小見出しから全体像を把握する
問題にあたる前に、最初の状況の説明(リード文)を読み、場面や状況をイメージしましょう。英文がスーッと頭に入ってくるようになります。英文のタイトルや小見出しも先にしっかり読み、英文のタイプや内容の全体像をつかみましょう。

「あなたのアメリカのホストファミリーが小さいアクアリウムを買おうと計画していて、あなたは役立ちそうなパンフレットを見つけた」ということですね。パンフレットのタイトルと小見出しを確認し、「アクアリウムの装飾に関する初心者向けの広告」だと把握します。このように、先に全体像をつかんでイメージし、「自分事」として設定場面に没入しましょう。
②設問を先読みする
本文を読む前に、まず設問を把握します。ただし、設問を読んでもその意味が正しく理解できていないと意味がありません。必ず丁寧に精読してください。主語と動詞が離れている、など文法的に複雑な文は特に時間をかけて、正確に理解するように努めましょう!ここで問われているキーワードにチェックを入れておくと、視覚的に見直しがしやすいのでオススメです。

The customers most likely to benefit from this pamphlet are( ). とありますが、主語と動詞が離れているのに気づいたでしょうか?このように文法的に複雑な場合は、以下のように英文にSVをつけたり修飾語を( )でくくるなどして読みましょう。
このように分析できるといいでしょう。most likely to benefit from this pamphletは「このパンフレットから恩恵を受ける可能性が最も高い」という形容詞のかたまりで主語The customers を修飾していると考え、「このパンフレットから恩恵を受ける可能性が最も高い顧客は( )だ」と解釈しましょう。
③本文を最初からしっかりと読み、 該当箇所を探す
設問で問われている該当箇所を探す姿勢で、本文を最初から読みます。飛ばし読みをすると文脈がつかめず、逆に読むスピードが落ちるので要注意。明らかに文脈が切れている、内容が分かれている、といった場合に限り、関係ないパートはまるっと飛ばして大丈夫ですが、その場合でも、該当箇所のパートは1文目からしっかり読むようにしましょう。
タイトルの1行目Beginners!「初心者の皆さん!」やタイトルの下Start your wonderful hobby of keeping fish by following these three easy steps!「魚を飼育するというすてきな趣味を、次の簡単な3ステップに沿って始めましょう!」より、初心者向けのパンフレットを読んでいるという設定だとわかりますね。
④先読みした問いに対する答えに見当をつける
該当箇所を見つけても、すぐ選択肢を見るのではなく、まずは自分で「こういう答えになるのでは」と見当をつけます。そうすると、不正解の選択肢で迷いません。
「初心者」のような選択肢がないかと選択肢を読んでいきましょう。「該当箇所と思われるところを確認したら(余計なところは読まずに)すぐに選択肢を確認する」のが正攻法です。
⑤選択肢を確認し、想定に最も近いものを選ぶ
最後に選択肢を読み、見当をつけていた答えに最も近い内容を選びます。読み間違いで落とすことのないよう、1文1文丁寧に確認しましょう。

④newcomers who need to be informed about their aquarium「アクアリウムに関して情報を得る必要のある新規客」がピッタリだとわかります。④が正解です。
「解く型」を実践
本文や表の中にある解答の根拠となる表現が、選択肢ではよく「言い換え」られます。ここでは、「視線の型」を踏まえつつ「言い換えの型」をマスターし、より素早く正確に解けるようにしていきましょう。
※この章で使用する画像、文章は、『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用したものです。

① 「視線の型」を使う
「視線の型」が基本の型となります。上記の矢印を見て、読む際の目の動きを再度確認しておいてください。
② 「言い換えの型」その1:設問を「自分の言葉」にする
まず設問を読む段階で、問われている内容をしっかりと理解するようにしましょう。直訳して理解した気になるのではなく、「探す情報はつまりこういうこと」と自分の言葉で説明できる状態になっていることが大事です。 例えばOn what day was he born?とあったら、「何の日に彼は生まれたのか」と直訳した後、「つまり彼の『誕生日』を探せばいいんだな」と腹落ちする言葉にしておきましょう。
選択肢を先に読む必要がある時は、選択肢も同様に自分の言葉にしておきます。設問を読んだはずなのにすぐ内容を忘れたり、設問と本文を何度も往復したりする傾向がある人は、このわずかな工夫で劇的に時短できることがあります。試してみてください。

まずは、視線の型です。ダンス大会についてのやりとりをしているという状況をリード文で確認し、すぐに設問を読みましょう。

worried about the safety of the dancers「ダンサーの安全性を心配」しているのは誰か、という問題です。「危険なことを嫌がる心配性の人を探せばいいんだな」のように設問を自分の言葉にして理解しやすくしておきます。
③ 「言い換えの型」その2:該当箇所を「自分の言葉」にする
本文を読み進め、該当箇所を見つけたら、これまた答えとなっている部分を自分の言葉で説明できる状態にします。

上から読んでいくと、4つ目のPat のメッセージの中にnecklaces might be dangerous「ネックレスは危ないんじゃないかな」とあります。「危ないかもしれない」という発言から、安全性について心配していることがわかりますね。まず1人目はPat です。
読み進めると、5つ目のVal のメッセージにMmm, sunglasses might make it hard to see. We might fall off the stage.「うーん、サングラスは見えにくくなる可能性がある。ステージから落ちちゃうかもしれないよ」とあります。ここを「視界が悪くなると危険だと言っている」と自分の言葉でメッセージを理解しましょう。安全性を心配している2人目はValですね。よって正解は③となります。
④ 「言い換えの型」その3:選択肢も「自分の言葉」でわかりやすく言い換える
序盤の問題の選択肢は短い文やフレーズが多いです。1~5単語程度の場合もあります。数語の短いフレーズの選択肢では文法的な誤訳はしないかもしれませんが、「わかった気になりやすい」という怖さがあります。自分の言葉でわかりやすく言い換えて頭の中に絵が浮かぶくらいにしておくと早く正解の選択肢を選ぶことができます。
今回の問1では選択肢が人名の組み合わせなので、この「型」を使う場面はありません。ただし、短い表現の意味を正確につかみ、別の言葉で捉え直すことは重要です。同じ例題の問3では、本文と選択肢の間で表現が言い換えられています。


You の最後のメッセージにLet’s not forget to talk with our instructor before we make the final decision about what costumes to buy. She said she’s available before rehearsal tomorrow.「どんな衣装を買うか最終決定する前に、インストラクターに相談するのを忘れないようにしよう。明日のリハーサルの前なら時間があるって言ってたよ」とありますね。「まずインストラクターに相談してみよう」ということです。正解は②ですね。talk with ~がconsult with ~に言い換えられていました。
『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』では、このような「型」を、16日間の学習で身につけられます。問題の流れをつかむ「読む型」と出題ポイントを攻略する「解く型」を繰り返し練習することで、設問に素早く正確に答える得点力を養います。2027年版では、2026年度の共通テスト本試験・追試験の問題を取り入れて内容をアップデート。さらに、実戦模擬試験に繰り返し取り組む「3回チャレンジ法」も新たに収録しています。共通テスト本番に向けて、実践力を効率よく磨ける一冊です。
大問別の目標解答時間の目安
共通テスト英語リーディングの大問別の解答時間の目安は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第1問 | 3分 |
| 第2問 | 6分 |
| 第3問 | 5分 |
| 第4問 | 6分 |
| 第5問 | 13分 |
| 第6問 | 15分 |
| 第7問 | 12分 |
| 第8問 | 15分 |
共通テストの英語は分量が多く、限られた時間でいかに速く正確に処理できるかが得点を大きく左右します。情報処理のスピードを上げるには、常に時間を意識して素早く解くトレーニングを積み重ねることが欠かせません。
共通テスト対策を進める上での心構え
共通テスト対策を進める上で大事な心構えは、以下の3つです。
- 文法・単語をおろそかにしない
- 解説も読み込む
- 「なぜ間違えたのか」を言語化して残す
文法・単語をおろそかにしない
まずは「時間無制限ならほぼ満点とれる」状態を目指して、英語を読む基礎となる「英文法」 と「英単語」を徹底的に身に付けてください。本書は最後の一押しとして「共通テスト力」を アップさせる位置づけの本なので、ある程度英語の素地があることを前提としています。
「著者・斉藤健一氏(『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用)」
解説も読み込む
共通テストのリーディングは、解いて丸つけをするだけでは力が伸びにくいものです。大切なのは、正解・不正解にかかわらず「なぜその答えになるのか」を解説で確認すること。
本文のどこが解答の根拠になるのか、なぜ他の選択肢が誤りなのかまで押さえておきましょう。刺さった説明には線を引き、何度も読み返すことをおすすめします。
「なぜ間違えたのか」を言語化して残す
解説はポイントをおさえる上で大事ですが、すぐに解説を読むのはやめましょう。間違えたとき、「なぜ間違えたのか」をまず自分の頭で徹底的に考え、分析してください。読み間違えたのは、設問なのか、選択肢なのか、本文なのか。どの部分が、なぜ読めていなかったのか。
原因を特定したらメモに残し、次に生かしていきましょう。
著者・斉藤健一氏(『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用)
まとめ
共通テストの英語リーディングで高得点をとるには、型が重要です。『2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』では、16日間の学習でこの「読む型」と「解く型」を身につけ、共通テスト英語リーディングを効率よく解く力を養います。2027年版では、2026年度の本試験・追試験を収録し、最新の出題傾向に合わせて内容をアップデート。実戦模擬試験と、新たに加わった「3回チャレンジ法」で、本番を意識した仕上げまで行えます。限られた時間で正確に読み、得点につなげる力を磨きたい人におすすめの一冊です。
2027年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング
森田 鉄也 監 斉藤 健一 著
構成・文:土屋なな
※2026年9月12日 一部情報を更新しました。
