リスニング満点獲得の切り札!『TOEIC L&R TEST 200問音読特急 瞬発力をつける』【TOEIC教材の森】

連載第1シーズン最終回ということで、MORIのX(旧Twitter)を見てくださっている方々にはおなじみの、MORIが全幅の信頼を置く「最強の一冊」を、満を持して取り上げます。「リスニングが420〜450点で伸び悩んでいたのに、この本を1〜3カ月使い込んだらリスニング満点が取れちゃいました」という友人やコンサル生(※)もいるくらいスゴい本です。では、さっそく… GO ON TO THE MAIN POINTS!
※MORIはXの音声配信機能を使って「公開コンサル」と題し、学習者の学習相談に乗っています。特に評判の良かった回「TOEICの単語の覚え方」のアーカイブはこちら。

リスニング力を徹底的に鍛えるPart 2対策書を3つの指標で分析!

本連載では現役エンジニアの視点を活かし、毎回以下の3つの指標(Metric)で教材を徹底分析します。

Metric 1:基本スペックの分析(定量的な問題数・解説量など)
Metric 2:適合スコアの解析(推奨する保有スコア帯)
Metric 3:ユーザビリティーの評価(定性的な強み・付加価値)

それではさっそく、今回のターゲット『TOEIC L&R TEST 200問音読特急 瞬発力をつける』の分析に入りましょう。

本書はPart 2の対策書なのですが、音読によりリスニング力自体をゴリゴリに鍛え上げるため、結果的にリスニングの他のPartまでも正答率が爆上がりする一冊です。超“スポ根”スタイルの教材なので、完走には気合とガッツが必要ですが、完走できればリスニング満点を取得できるだけのリスニング力が身につきます。

Metric 1 基本スペックの分析(問題数・解説量など)

Part 2 問題を200問も収録

収録問題数は200問であり、すべてPart 2となります。公開テスト8回分と、やや多めであり、コスパ的にも優れていると思います。

演習の流れは、❶演習問題(各5問×20セット 合計100問の演習) ➡ ❷演習問題を用いた音読トレーニング(詳細は本書参照)➡ ❸仕上げの問題演習(100文) ➡ ❹仕上げの問題演習を用いたまとめの音読、となります。単純に解くだけでなく、音読も演習カリキュラムに組み込まれているため、問題数以上のボリューム感があります。

各問題の解説も手厚いのだが…

各問題の解説自体も普通からやや多い無難なボリューム感です。

本書はそれに加えて、演習問題100問のすべてに「音読ミニ講座」と題したコラムで、発音などの解説が入ります。もはや“ミニ”とは言えないボリューム感です。このコラムは本書の大きな特徴とも言えますので、Metric 3にて深掘りします。

特急シリーズの中でもページ数は多い方

特急シリーズは300ページ前後であることが多いのに対し、本書のページ数は344ページと、やや多めな印象です。私が持っている特急シリーズの中では、本書が最もページ数が多かったです。

収録問題数が多い上に解説も非常に充実しているため、当たり前といえば当たり前かもしれません。

ボリュームはありますが、レイアウトなどが非常に工夫されており、とても読みやすい印象です。

Metric 2 適合スコアの解析(推奨する保有スコア帯)

初級者(〜595点):問題集としては使えるが、音読パートは少し早いかも?

1000円以下でPart 2の問題が200問も収録されており、コスパが良いです。解説も非常に手厚いため、初級者のPart 2演習にも適しています。

一方で、音読パート(その中でも特に暗唱パート)は初級者にはハードなので、取り組もうとすると挫折する可能性が非常に高いです。初級者のうちは問題集として使用し、レベルアップしたら音読パートに手をつけるのがお勧めの使い方です。

中級者(600〜855点):700点を超えたあたりから音読にチャレンジしよう

本書の真骨頂は音読パートです。そのため、700点を超えたあたりから、ぜひ音読パートに取り組んでみてください。

MORIの周囲の方にヒアリングしたところ、保有スコア800〜895点(リスニングは400〜450点)の方の多くが「音読、特に暗唱パートはかなりハード」とおっしゃっていました。

要約すると、「700点を超えたら着手できるが、かなりの気合と根性が必要」「800点を超えていれば、ハードだがやり抜ける」という感じでしょうか。レベル感の参考にしてください。

上級者(860点以上):リスニング満点を目指すなら絶対に取り組んでもらいたい

冒頭でも触れましたが、「本書をやり込んだら、リスニングで満点が取れた」という知人が複数人います。

そのため、「あと一歩のところでリスニング満点が取れない」「リスニングの難問問題集を解いているのに、本番で満点が出せない」という方には、ぜひ取り組んでいただきたいです。

なお、MORI自身は本書を初めて使ったときはすでに保有スコアが950点を超えていましたが、音読パートも「いい感じの負荷」に感じました。また、本書に取り組んでいる期間は、リスニング満点取得率も安定していました(最近はちょっとサボってしまっているため、リスニング満点を逃すことがあります。反省)。

Metric 3 ユーザビリティーの評価(定性的な強み・付加価値)

自己流の音読は危険!やり方と手順が大切

リスニング力を上げることを目的とする音読は、やり方を間違えると学習効果が得られません。自己流の音読は危険です。

本書では、音読の効果を確実に出すために、5つの「音読するときの絶対ルール」と5ステップの「音読トレーニング(暗唱含む)」を提唱しています。これが、めちゃくちゃハードです。しかし、その分、確実に結果(=スコア)が出ます。

そもそも、Part 2の設問と選択肢をゼロから暗唱するのは非常に難しいのですが、本書の音読の5ステップを踏むことで、簡単とまでは言いませんが、比較的楽に暗唱できます(少なくともMORIはできました)。

著者の駒井先生が「武田塾English」のYouTubeチャンネルで、音読の重要性や具体的なやり方について語っている動画が非常に面白いので、時間がある方はぜひご視聴ください。

【英語学習】9割ができていない!?最も効果的な音読の方法はこれだ!vol.536

音読・暗唱しやすい音源とスクリプトも収録

実は、Part 2の設問と正解選択肢の組み合わせを暗唱する学習法は、TOEICマニア界隈で言えば5年以上前から割とポピュラーな学習法でした。オタクな人になると、公式問題集の音源を自分で編集し、誤答選択肢の読み上げ音声を削除して、設問と正解選択肢の組み合わせだけの音源を自作する方もいたくらいです。

しかし、本書のようにステップを踏むことで暗唱をしやすくしている市販教材は、少なくともMORIは見たことがありません。この点は、本書の大きな魅力です。設問・正解選択肢の組み合わせのみの音源・スクリプトも全問分(200問分)用意されているので、音源を自作する手間なく、効率的に学習することができます。

私事になりますが、MORIは本書のことが好きすぎて、駒井先生に本書についてインタビューしたことがあります。その際の アーカイブ をYouTubeにアップしていますので、こちらもご視聴いただけると嬉しいです。

コラム「音読ミニ講座」で音声変化まで学べちゃう

Metric 1で触れた、本書の最大の魅力の一つでもあるコラム「音読ミニ講座」について深掘りします。

このコラムは、演習問題(5問×20セット)の各セットの最後に挿入されています。1ページ×20回、合計20ページあります。やはり、どう考えても「ミニ」とは言えないボリュームです。コラムでは、各設問または正解選択肢の中から、特に特徴的な発音や音声変化をピックアップして、初中級者にもわかりやすく解説しています。

このコラムが非常に良いのは「情報を詰め込みすぎていない」という点です。

発音系の教材でありがちなのが、解説や専門用語の情報量が多すぎて、初中級者の読者が受け取れない(=読んでも理解できない、または読むことを断念する)教材になってしまっていることです。MORIが、このあたりの情報量のバランスを取ること(=読者が受け取れる情報量を見極めること)が特に上手だと感じるのが、本書の著者である駒井亜紀子先生と、皆さまもご存知であろう『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』の著者であるTEX加藤先生です。

英語講師・TOEIC講師であれば誰しも、自分の知識や教えたいことを詰め込みがちですが、お二人の著書を読むと「本当に読者目線での情報の引き算がスゴいな」と、「人に教える」という観点でも、いつも勉強になります。

結論

収録されている問題の難易度は普通ですが、「音読トレーニングの過酷さ」から取り組む人を選ぶ本ではあります。それと同時に、ハイスコアを取るために必要なものが、高難度の問題ではなく、高負荷なトレーニング(=取り組む問題は通常難度でよい)であることを証明する一冊だと思っています。

「いつもリスニングは高得点だけど、なかなか満点は取れない」とか、「難問問題集を解いているのに、なかなかスコアが伸びない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ本書に取り組んでみてください!

MORI
MORI

純ジャパの英語学習者。英語を使わない日系企業に勤務しながら、TOEICに挑戦し、30代でIPのスコアを435点から990点まで伸ばす。九州工業大学大学院卒。自身の経験を活かし、XでTOEICに関する情報を発信中( https://x.com/mori_toeic990 )。

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