総合対策書の王道にして"異端児"!?受験者ニーズを全力でカバーする『絶対ハイスコア』【TOEIC教材の森】

数ある良書の森で迷っている皆さまに、ぴたりとハマる一冊を見つけるお手伝いとして、話題のTOEIC教材を徹底分析する連載「TOEIC教材の森」。第2回は、TOEICを受験するのであれば少なくとも1冊は取り組んでおきたい総合対策書※の中でも、MORI激押しの1冊を紹介します。総合対策書の多くは「解き方」を中心に扱っており、その他のギモンまでは解決されませんが、本日紹介する本は一味ちがいます。では、... GO ON TO THE MAIN POINTS!
TOEICの各Partの対策を網羅的に取り扱う本の総称。

人気の「特急」シリーズ・総合対策書を3つの指標で分析!

本連載では現役エンジニアの視点を活かし、毎回以下の3つの指標(Metric)で教材を徹底分析します。

Metric 1:基本スペックの分析(定量的な問題数・解説量など)
Metric 2:適合スコアの解析(推奨する保有スコア帯)
Metric 3:ユーザビリティーの評価(定性的な強み・付加価値)

それではさっそく、今回のターゲット『TOEIC(R) L&R TEST 総合対策特急 絶対ハイスコア』(以下『絶対ハイスコア』)の分析に入りましょう。

『絶対ハイスコア』は、公開テストで満点を100回以上取得している超人気講師、濵﨑潤之輔先生によって書かれた総合対策書です。TOEICファンたちからは「HUMMER式」という愛称で親しまれている、濵﨑先生独自のテクニックや解法が詰まっています。

濵﨑先生の問題解説は、奇をてらわない「超・王道」です。しかし、先生の著作を唯一無二にしているのは、その”異端”ともいえるほどの細やかさ・丁寧さ。本書でもこの”濵﨑節”を、いたるところで堪能できます。

Metric 1 基本スペックの分析(単語数・解説量など)

収録問題数:解説重視のため、問題数はやや少なめ

収録問題数は、数え方にも拠りますが、演習形式の「実戦トレーニング」だけ見ると55問と少なめです。限られたページ数の中でこれだけ解説を重視して作り込めば、問題数が絞られるのは当然のトレードオフと言えます。一方で、解き方や学習法をレクチャーするための例文や例題はふんだんに盛り込まれています。

問題数が限られていることは、初中級者にとっては“周回”しやすいというメリットもあります。少ない問題数でも、しっかりと解法をモノにすることができます。

周回…1つの教材を最後までやり終えた後、最初に戻って繰り返し学習すること。

解説の量:単純な解説だけでは終わらない

解説の文量は非常に多く、良い意味で常軌を逸しています。ここは深掘りしたいため、Metric 3で詳しく説明します。

ページ数:何度も読み返すのにちょうど良いページ数とサイズ

多くの学習者にとって馴染みのある「金フレ」と同じ「特急シリーズ」なので、サイズ感はイメージしやすいかもしれません。新書サイズで携帯に便利なうえ、全300ページとTOEICの参考書としては読みやすく、初中級者でも何度も読み返すのが苦にならないボリュームになっています。

Metric 2 適合スコアの解析(推奨する保有スコア帯)

初級者(〜595点):500点未満には難しいかも?

本書の「はじめに」に書かれている対象スコア帯は、“700点〜800点突破を目指す500点台〜600点台の方”となっています。実際、500点未満の方が使うには少し難しい本のように感じます。500点未満の方は、この本を取り組む前に、単語帳や文法問題集などで英語の基礎力を鍛えた方がより効果的な学習ができると思います。

中級者(600〜855点):真価を発揮するのは600点から。800点を超えている人にもお勧め

前述のとおり、公式設定では500点台からが本書の対象となっていますが、個人的には500点台の方にもやや難しく、本書が真価を発揮するのは600点からになりそうという印象です。

一方で、単なる「解き方」の解説にとどまらず、学習を支える様々なエッセンス(詳しくはMetric 3で解説)が盛り込まれているため、すでに800点を突破している方にも非常にお勧めです。

上級者(860〜900点):英語は得意だが、TOEIC対策はしてこなかった人にはお勧め

もともと英語が得意で、特段のTOEIC対策をしてこなかった上級者にも非常にお勧めです。

本書のノウハウを吸収してTOEIC特有の解き方に慣れることで、持ち前の高い英語力をTOEICテストにしっかりチューニングできるようになり、さらなるスコアアップが見込めます。

Metric 3:ユーザビリティーの評価(定性的な強み・付加価値)

Part3・4の解き方説明だけで12ページ!?他に類を見ない丁寧な説明

Metric 1でも触れましたが、本書の最大の魅力は、良い意味で常軌を逸している「圧倒的な解説の量と丁寧さ」です。

それがどれほどかというと、たとえばPart3と4の解き方の説明だけで、なんと12ページ(本書のP19〜30)に及びます。リテンション(聞いた内容の記憶保持)の工夫から、設問の先読みの順番、解答をマークするタイミングまで事細かに記されており、「誰が読んでも理解できる」ほど丁寧に書かれています。私が知る限り、ここまで解説を尽くしてくれる著者は濵﨑先生しかいません。

TOEICのパートの中でも、Part3、4、そしてPart7は多くの学習者にとって壁になります。本書は、それらの壁を確実にぶち壊してくれるので、これらのパートに苦手意識を持つ方にはぜひ読んでいただきたいです。

解き方やテクニックだけではなく、メンタルについてもアドバイスが!

この本は、各パートの攻略法を「心」「技」「体」の3つの切り口で紹介しています。

具体的には、「心」はTOEIC学習に取り組む際の心構え、「技」は各Partに対するアプローチ方法、「体」は練習問題を通じて“解答の型”をつくりあげるための訓練、という構成です。

中でも、特に読んでいただきたいのが「心」の部分。「学習継続におけるメンタル面でのアドバイス」や「やる気を持続するための工夫や時間の使い方」などが書かれています。

MORI自身、濵﨑先生が説くマインドセットからは大きな影響を受けており、IPテストでスコアを435点から990点まで引き上げられたのも、この「濵﨑イズム」が根底にあったからだと確信しています。

MORIも実践してスコアUPした勉強法の紹介も!

章の間に挟まれるコラム「壁を超えるための勉強法」「おすすめの対策書」も、とんでもなく有益です。

「壁を超えるための勉強法」には、MORIも実践してスコアUPにつながった方法が複数紹介されているため、自信を持って皆さんにお勧めできます。

また、「おすすめの対策書」では、本書の特性上どうしても少なくなってしまう収録問題数をカバーするのに最適な教材が紹介されています。ぜひこちらも日々の学習に活用してください。

結論

冒頭でも述べましたが、TOEICで高得点を狙うのであれば、少なくとも1冊は総合対策書に取り組むことをオススメします。

世の中には素晴らしい総合対策書が数多く存在しますが、今回紹介した『絶対ハイスコア』はその中でも個人的にイチオシの1冊です。本書は、本当に学習者のいろいろな疑問を解消してくれる本です。Metric 2で述べたように、初級者にはややハードルが高いものの、600点以上の学習者であれば、スコア帯を問わず万人にマッチすると確信しています。

もし書店で見かけたら、ぜひ中身をパラ見してみてください。内容の濃さに驚き、思わずそのままレジに向かいたくなるはずです!

MORI
MORI

純ジャパの英語学習者。英語を使わない日系企業に勤務しながら、TOEICに挑戦し、30代でIPのスコアを435点から990点まで伸ばす。九州工業大学大学院卒。自身の経験を活かし、XでTOEICに関する情報を発信中( https://x.com/mori_toeic990 )。

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