イディオムは、日常生活の中で鮮やかに感情や状況を表現します。この連載では、そうした表現が「どんな意味で」「どんな場面で」使われるのかを、英語学習者の視点で整理していきます。今回取り上げる表現は「make a mountain out of a molehill」です。
目次
モグラ塚から山を作る?make a mountain out of a molehillの本当の意味は?
「make a mountain out of a molehill」というフレーズは、文字通りには「モグラ塚から山を作る」という意味です。しかし、イディオムとしては「小さなことを大げさに扱う」、「ささいな問題を深刻に捉えすぎる」、「必要以上に騒ぎ立てる」という意味で使われます。
molehillは、モグラが土を掘った後に地面にできる小さな盛り上がりのことです。それに対して mountainは「山」です。つまり、本来は小さな土の盛り上がりにすぎないものを、まるで大きな山のように扱うイメージから、「大したことのないものを、大問題にする」という意味になります。
この表現は、相手の反応が少し過剰に見えるときによく使われます。例えば、小さなミスや予定の変更、ちょっとした不満などに対して、必要以上に怒ったり心配したりしている人に対して用いられます。ただし、相手に直接言うと「大げさだよ」とたしなめる響きになるため、言い方や使う場面には少し注意が必要です。
make a mountain out of a molehillが使われる場面
make a mountain out of a molehillは、小さな出来事を必要以上に大きな問題として扱っている場面で使われます。特に、誰かがちょっとした失敗や誤解、予定のずれなどに過剰に反応しているときに使いやすい表現です。
日常会話では、友人や家族が小さなことで心配しすぎているときに、「そんなに大げさに騒がなくてもいいよ」というニュアンスで使われます。職場では、軽いミスや小さなトラブルを必要以上に深刻に受け止めている状況について話すときにも使えます。
よく使われる形は、Don’t make a mountain out of a molehill.です。「そんなに大げさに騒がないで」「小さなことを大ごとにしないで」という意味になります。ただし、相手が本当に困っている場合にこう言うと、相手の気持ちを軽く扱っているように聞こえることもあるため、相手との関係性やタイミングを見極めて使うようにしましょう。
例文紹介
では、make a mountain out of a molehillの用例を見てみましょう。
Don’t make a mountain out of a molehill. It was just a small mistake.
そんなに大げさに騒がないで。ただの小さなミスだよ。
She made a mountain out of a molehill when the meeting was delayed by 10 minutes.
会議が10分遅れると、彼女はそれを大ごとにした。
make a mountain out of a molehillに似た表現
make a mountain out of a molehill以外にも、「大げさに扱う」「必要以上に深刻に捉える」という感覚を表す表現がありますので、いくつか紹介します。近い意味を持つ表現はいくつかありますが、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。
blow something out of proportion(~を大げさに言う)
proportionは「割合」「釣り合い」という意味です。このイディオムは物事の大きさや重要度を実際よりも大きく見せてしまう、というニュアンスがあります。make a mountain out of a molehillとかなり近い意味で使えます。make a big deal out of something(~を大ごとのように扱う)
くだけた会話でよく使われる表現です。「何かを必要以上に重要なこととして扱う」という意味があります。Don’t make a big deal out of it.と言えば、「そんなに大げさに騒がないで」という意味です。much ado about nothing(空騒ぎ、ささいなことで大騒ぎ)
「何でもないことについての大騒ぎ」という意味の表現です。少し文学的、またはやや古風に感じられることもありますが、実際には大した問題ではないのに騒ぎが大きくなっている状況を表せます。adoはやや古い英語で「騒ぎ」という意味です。
まとめ
make a mountain out of a molehillは、「小さなことを大げさに扱う」「ささいな問題を必要以上に深刻に捉える」という意味で使われる表現です。小さなモグラ塚を大きな山に見立てるイメージから、実際よりも問題を大きく扱ってしまう様子を表しています。
日常会話では、相手を落ち着かせたいときや、誰かの反応が少し過剰だと感じるときによく使われます。一方で、相手の気持ちを否定するように聞こえる場合もあるため、使う相手や状況には注意しましょう。例文とあわせて覚えることで、自然な使い方がつかみやすくなります。
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