高校英語授業における「言語活動」の実態とは?英語教師285名調査で見えた現場の工夫と課題

高校の英語授業では、「言語活動」はどのくらい行われているのでしょうか。株式会社アルクは、早稲田大学の鈴木祐一准教授監修のもと、全国の高校英語教師285名を対象にアンケート調査を実施しました。その結果から、演習や音読を中心としながらも、コミュニケーション活動を授業に取り入れようとする現場の工夫と課題が見えてきました。

高校英語授業における「言語活動」の実態を調査

株式会社アルクは、高校英語授業における「言語活動」の実態を明らかにするため、早稲田大学の鈴木祐一准教授監修のもと、高校英語教師を対象としたアンケート調査を実施しました。

本調査は2026年2~3月に行われ、全国の高校英語教師285名から回答を得たものです。

2018年告示の学習指導要領では、生徒が実際に英語を使って考え、伝え合う「言語活動」の充実が求められています。一方で、実際の教室ではどのような授業が行われているのか、その実態は十分に明らかになっていませんでした。

そこでアルクでは、高校英語授業で行われている活動の内容や頻度、授業構成、教師が感じる課題などについて調査を実施しました。その結果、高校英語授業では依然として演習と音読が大きな位置を占める一方、コミュニケーション活動を取り入れようとする取り組みも広がっていることが分かりました。

授業の中心は「演習+音読」

調査結果から見えてきたのは、高校英語授業において、教科書本文の内容理解、文法解説、和訳といった演習活動が大きな位置を占めているという実態です。

その一方で、音読も広く行われていました。約8割の教師が、単元内で音読を継続的に実施していると回答しています。

音読は、練習活動の中で最も広く行われている活動であり、高校英語授業の基盤となる活動の一つであることがうかがえます。

コミュニケーション活動は「取り入れているが限定的」

ライティング、インタビュー、プレゼンテーション、ディスカッションなどのコミュニケーション活動も、授業内で実施されています。

ただし、その多くは単元内で1~2回程度にとどまっていました。特にディベートやロールプレイなどについては、「全く行わない」とする回答も多く見られました。

つまり、コミュニケーション活動は高校英語授業の中に一定程度取り入れられているものの、日常的・継続的に行うにはまだ課題が残っているといえます。

約6割が「練習からコミュニケーション活動へ」の授業フローを採用

授業構成を見ると、64.0%の教師が「練習からコミュニケーション活動につなげる」授業フローを採用していました。

一方で、34.3%は演習・解説を中心とした授業フローを選択していました。

この結果から、高校英語授業には一つの型だけではなく、学校やクラスの状況、生徒の英語力、授業目標などに応じた多様な実践があることが分かります。

演習や音読を土台にしながら、そこからどのように実際のコミュニケーション活動へつなげていくかが、今後の授業改善のポイントになりそうです。

言語活動を阻む背景には構造的な課題も

調査では、コミュニケーション活動を十分に取り入れられない理由も明らかになりました。

主な課題として挙げられたのは、次のような点です。

・入試対策との両立
・生徒の語彙・文法など基礎力の不足
・授業時間数の制約
・大人数学級での運営負担

これらの課題からは、教師が言語活動の必要性を感じていないというよりも、限られた授業時間や入試対策、生徒の実態との兼ね合いの中で、実施の難しさを感じている様子がうかがえます。

鈴木祐一准教授「演習と言語活動を二者択一で捉えないことが大切」

本調査を監修した早稲田大学国際学術院・国際教養学部の鈴木祐一准教授は、今回の調査結果について次のようにコメントしています。

『高校の英語授業は文法と訳読ばかり』——本調査は、この通説が少しずつ変わりつつあることを示しています。ただ同時に、「言語活動をやらない」というよりも「取り入れたいが難しい」という、現場が抱える課題も浮き彫りになりました。授業改善において大切なのは、演習と言語活動を二者択一で捉えないことです。音読やリテリングなどの練習活動を、実際のコミュニケーション活動へどのようにつなげていくかが鍵になります。そしてその実現には、教師個人の工夫だけでなく、学校全体での方針共有や研修機会の充実も欠かせません。

今回の調査は、高校英語授業が「演習か、コミュニケーションか」という単純な対立では捉えきれないことを示しています。

現場では、基礎的な知識や技能を定着させるための演習や音読を重視しつつ、それらを実際に英語を使う活動へとどうつなげるかが模索されています。

調査概要

・調査名:高校英語授業における「言語活動」実態調査
・調査対象:高校英語教師
・調査期間:2026年2月~3月
・調査方法:オンラインアンケート
・有効回答数:285名

本調査の詳細レポート「アルク英語教育実態レポート Vol.21」は、以下のページから確認できます。

https://www.alc-education.co.jp/academic/souken/

高校英語教育を支援するアルクの取り組み

アルクでは、高校英語教育支援の一環として『Web版 英語の先生応援マガジン』を隔月で発行しています。

高校英語教育に関する情報や授業づくりのヒントを知りたい方は、以下のページもご覧ください。

https://alc-nds.com/k-alc-magazine/

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